県発注の識名トンネル工事で県が国の補助金を不正受給したとして、住民11人が県に対し、国への補助金返還額のうち利息分の約7178万円を当時担当した元県幹部らに返還請求するよう求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は県の上告を受理しない決定をした。
13日付。元県幹部2人に請求するよう県知事に命じた一審、二審判決が確定した。
住民訴訟制度に基づき県は確定した日から60日以内に2人に返還金を請求しなければならない。
県土木建築部の上原国定部長は、最高裁決定について「県の主張が認められなかったことは残念だ」とコメントした。
元幹部への賠償請求手続きについては「今後、代理人弁護士と協議し対応を検討したい」と述べるにとどめた。
識名トンネル工事は仲井真弘多氏が県知事だった2006年に大手ゼネコンと県内2社の共同企業体(JV)が47・2%の低落札率で受注。
県は着工後に新たに必要となった工事について手続きや工期を偽り、追加で6件の随意契約を結んだ。
沖縄総合事務局は12年3月、契約を不適切として県に補助金返還を要求。県は利息を含む約5億8千万円を返還した。
今年3月1日の二審・福岡高裁那覇支部判決は元県土木建築部長と元県南部土木事務所長に重大な過失があったと認定した一審那覇地裁判決を支持し、県側の控訴を棄却していた。
住民側は仲井真前知事にも責任があると訴えていたが、一審で退けられ控訴しなかったため、二審で審判の対象にならなかった。
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