八重山毎日新聞社説 将来に悔い残さないで
■政治に未来も
ところで今度の選挙戦で気になったのは陸自配備問題で反対の立場を貫くはずの野党候補の動き。
3日攻防に突入するなか本紙が実施したアンケートで「選挙戦で重視する分野」を問われていの一番に「陸自配備問題」と答えたのはわずか2人しかいなかったのだ。
大半が子育て支援や経済、農業振興、福祉と答えている。これでは本気で陸自配備に反対しているのかと疑いたくもなる。
背景には地域共同体においては高度に政治性を帯びた問題を避けて通りたいという心情がうかがえよう。
「難しい政治の話より目の前の生活を楽にしてくれ」という気持ちである。
そうした有権者の心に訴えるには「子育て支援」「経済振興」が一番という、いわば戦略である。
その証拠に別のアンケートで陸自配備問題に特化されたら、しっかりと賛否、慎重を答えている。
もちろん、政治は生活である。
目の前の課題解決に全力を傾けるのはとても大切なことだ。
しかし、一方で政治は未来である。
来るべき将来の問題を避け現実的対応にのみ心血を注ぐと子や孫の世代に取り返しのつかない負の遺産を残しかねないのだ。
http://www.y-mainichi.co.jp/news/34133/