NHKニュース
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強制失踪 被害者のための国際デー ウイグル族拘束で中国非難

国家によって拉致や拘束された被害者を支援する国際デーにあわせて、アメリ
カの首都ワシントンでは人権団体などが記者会見し、中国政府が少数民族のウ
イグル族を大勢、不当に拘束していると非難し、国際社会に中国への圧力を強
めるよう訴えました。

国連が定めた「強制失踪の被害者のための国際デー」に当たる30日、アメリカ
の首都ワシントンでは人権団体などが記者会見しました。

この中で、中国の新疆ウイグル自治区の人権状況を調べているアメリカの専門
家は、「再教育キャンプと呼ばれる施設に100万人以上のウイグル族が拘束さ
れていると見られ、拘束期間は数か月から1年を超える人もいる。イスラム教
を捨てて中国共産党と習近平国家主席をたたえるよう強いられている」などと
述べ、中国政府を非難しました。

また、新疆ウイグル自治区出身の男性は、親が再教育施設に収容され、子ども
が親と離ればなれになっているケースが相次いでいることを説明し、国際社会
に中国への圧力を強めるよう訴えました。

この問題をめぐっては、トランプ政権も先月、中国政府がテロ対策を名目に去
年の4月から少なくとも数十万人のウイグル族を再教育施設に収容しているな
どと非難しましたが、中国政府は「中国への中傷だ」として反発しています。

中国共産党の幹部たちに制裁を

一方、アメリカ議会の超党派の議員団は、ウイグル族の人権を侵害している中
国共産党の幹部たちに制裁を科すべきだと訴える書簡をトランプ政権に送りま
した。

書簡を送ったのは、共和党のルビオ上院議員や民主党のメネンデス上院議員な
ど超党派の有力議員17人です。

書簡の中で、議員たちは「中国の新疆ウイグル自治区ではイスラム教徒のウイ
グル族を対象に不当な拘束や拷問が行われているほか、日々の生活も政府によ
って監視されている」と指摘しています。

そのうえで、抑圧的な政策を進め、ウイグル族の人権を侵害している新疆ウイ
グル自治区の陳全国書記など中国共産党の幹部たちに制裁を科すべきだと訴え
ていて、トランプ政権がどのような対応をとるのか注目されます。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180831/k10011601611000.html
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