兵庫県加古川市のダム湖で衣装ケースに入れられた大阪市淀川区の小西優香さん(20)の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された稲岡和彦容疑者(42)が「(ケースの)中身は知らなかった。物と思っていた」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。同容疑で逮捕された森翔馬容疑者(20)に運ぶよう頼まれたとも説明しており、県警が経緯を調べている。

 県警によると、両容疑者は9日午前7時半〜11日午前8時40分ごろにかけ、小西さんの遺体を加古川市平荘(へいそう)町の権現(ごんげん)ダムに遺棄した疑いがある。ともに容疑を否認している。

 捜査関係者によると、2人は事件前から知人の間柄だった。県警はこれまでの捜査で、稲岡容疑者が調達したとみられる車を押収。森容疑者は運転免許を持っておらず、稲岡容疑者が車を運転し、遺体をダム湖まで運んだとみている。

 稲岡容疑者は加古川市出身で、実家はダム湖から5キロほどの場所にある。母親は19日、取材に「やさしい子だから(事件は)信じられない」と話した。逮捕直前の17日午後8時ごろ、体調を気遣う電話があったという。父親は「実家を出てから連絡もあまりない。大阪で一生懸命やっていると聞いていた」と話した。

 稲岡容疑者は10年ほど前、大阪市内の会社で営業の仕事をしていたという。当時、同僚だった男性は「常に金に困っていたが、事件を起こすような人ではなかった」と話した。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180820-00000035-asahi-soci