行方が分からなくなっていた藤本理稀くんを発見した大分県日出町の尾畠春夫さん(78)は15日午後、報道陣の取材に応じ「尊い命が
助かってよかったです」とうれしそうに話しました。
尾畠さんによりますと、新聞記事で理稀くんの行方が分からなくなっていることを知り、14日、車で周防大島町を訪れて捜索活動に加わりました。

15日午前6時すぎに山に入り、理稀くんがいなくなった場所から歩いておよそ15分、距離にしておよそ600メートルほど離れた山の中の沢で
理稀くんの名前を呼ぶと、「おじちゃん、ここ」という声が聞こえたということです。

尾畠さんが声の方向へ進むと、沢の近くの石に座っていた理稀くんを見つけました。

呼びかけに対し理稀くんは「はい」とはっきり答え、尾畠さんが持っていたあめをかみ砕いて食べたということです。

尾畠さんは10数年前からボランティア活動に力を入れ、東日本大震災などの被災地のほか、先月の豪雨で大きな被害を受けた
広島県呉市でも復旧作業にあたりました。

また、おととし大分県佐伯市で当時2歳の女の子が一時、行方不明になり21時間後に無事、保護された際にもボランティアで捜索に
参加していて、このときの経験を頼りに今回、山に入ったということです。

尾畠さんは「見つけた瞬間はびっくりして頭が真っ白になり、心臓が止まるかと思いましたが、尊い命が助かってよかったです。
あれぐらいの幼い子なら泣き叫んでいてもおかしくないのに、とても落ち着いていました」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180815/k10011577931000.html