https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/02345/?P=2

(3)正当防衛としてのDoS攻撃
 ブロッキングに代わる技術的な海賊版対策として「アクセス集中方式」を提案する――。
日本IT団体連盟 政策委員会の別所直哉委員長は2018年8月10日、検討会議にこのような資料を提出し、勉強会でも紹介された。

 アクセス集中方式とは、端的にいえば海賊版サイトにDoS(Denial of Service)攻撃を仕掛け、
サイトをダウンさせる、またはつながりにくくする対策だ。

 同連盟はブロッキング方式と比べた利点として、コンテンツの権利者がインターネット接続事業者(ISP)に頼らずに自らコストと法的リスクを負担し、
今すぐに実施可能である点を挙げる。このほか、他ユーザーへの権利侵害がない、無関係なサイトへの悪影響がない、海賊版サイト運営者が攻撃を回避するには一定のコストがかかる、などの利点があるとする。

 一般にDoS攻撃はサイバー攻撃の一手段であり、業務妨害罪などの違法行為に問われる可能性がある。この点について同連盟は、
「麻薬販売サイトの運営を妨げても偽計業務妨害罪に該当しない」という考え方に照らせば業務妨害罪には当たらない、
仮に当たるとしても著作権侵害に対する正当防衛行為として違法性を阻却できる可能性があると主張する。ただし、最終的判断は裁判所によるという。

 ただし「憲法等」「技術」などの各グループの討議では、サイバー攻撃の一手段であるDoS攻撃を許容する提案に否定的な意見が目立った。