西日本豪雨で大規模に浸水した岡山県倉敷市真備町地区で約120人の住民を水上バイクで助けたとして、県は6日、総社市真壁、建設業の内藤翔一さん(29)に感謝状を贈った。

 7月7日昼、自宅にいた内藤さんは、4歳下の友人から「真備町に住む母親が足が悪いので逃げられない」と電話で救助を頼まれた。
内藤さんは趣味として楽しむ水上バイクを車に載せ、出身地の同町へ向かった。

 現地では屋根の上に多くの人が逃げていた。「助けて」という声に「絶対戻るから待ってて」と応えると、友人の母親を捜し当てて近くの土手へ連れて行った。
高台と現地を何度も往復し、何人も避難させた。テレビでその姿を見た友人も合流し、力を貸した。午後11時前に救助を終えて自宅へ戻ろうとすると、
別の友人から「まだ助けを求める人がいる」と電話。懐中電灯の光を頼りに捜索を続行し、翌朝午前4時ごろまでの約15時間で約120人を救助した。

 県庁で伊原木隆太知事は「内藤さんがいなければ、亡くなった人の数はかなり違っただろう。勇気がなければできない」とたたえた。
内藤さんは「一人ではできなかったので仲間に感謝する。今後は故郷の復興に協力したい」と話した。【源馬のぞみ】


8/7(火) 9:59配信 毎日新聞
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