前代未聞の内紛に揺れた文藝春秋。松井清人前社長の会長就任という野望は、前常務取締役・木俣正剛氏の
“抱き合い心中”で阻止された。しかし予定通り、出版業務を経験したことのない経理畑の中部嘉人新社長を誕生させた。
その文春で粛清人事の嵐が吹いた。一連の騒動の渦中、松井氏を批判する社内有志連名による要望書が提出された。
社内からは有志について「報復のような人事は避けて欲しい」という要望が松井氏のところにも届いていた。
しかしふたを開けると、冷徹な人事が行なわれた。本来は局長就任が確実視されていた文藝出版局次長、島田真氏は
文藝出版局を出され、局次長という肩書はそのまま、月刊『文藝春秋』のみの担当を命じられる。
前新書部長・吉地真氏、前文藝部長・向坊健氏はともに編集委員という島流しポストへ。
一方、「松井氏に魂を売った」とされている飯窪成幸常務は、編集総務だけでなく、ノンフィクション局、
週刊文春、出版局を統括する立場に大出世。片や、文藝春秋の屋台骨を支える人材と目されている執行役員
鈴木洋嗣、羽鳥好之両氏はそれぞれ複数担当を外され、宣伝プロモーション、メディア事業と
明らかに“傍流”事業の担当に押し込められてしまった。蚊帳の外にいた前週刊文春編集長の新谷学氏は
週刊文春編集局長に就任し独立王国を築いた。ただ気になる情報もある。週刊文春幹部が暴力団、山口組幹部に
提出したとされる“詫び状”なるものの存在だ。近々ある週刊誌が記事にする話もあり、不穏な空気が漂う。
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