国民民主党の大塚耕平共同代表は30日、「産経新聞はよく脚色する」との発言に関する本紙の質問状に対し、書面で回答を寄せた。
大塚氏は、国民民主党の国会対応を「世論や他党の顔色をうかがいながら、文字通り『右往左往』」と評した5月29日付の記事などを挙げ、
「主観的表現や想像を一般化したり、あたかも客観的事実かのような表現で報道する」とした。
国民民主党結成の過程を報じた記事で、旧民進党と旧希望の党の「合流」という表現を用いたことについても「取材対象が説明した内容や言葉とは異なる表現や言葉を用い、
意図的に事実を歪曲(わいきょく)」と指摘した。
多難な党運営に汗をかく大塚氏が、意にそぐわない報道に不快感を抱く気持ちは理解できる。しかし、多様な論評に耳を傾ける度量の広さが欠けていることは残念に思う。
念のため、最後に国民民主党の結党宣言の一部を紹介する。
「多様な声をあたたかく包み込むことで対立や矛盾を乗り越える新たな政治を創造する」(野党担当キャップ 松本学)
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《国民民主党の大塚耕平共同代表が産経新聞に寄せた回答文の全文は次の通り》
平成30年7月27日付の質問状に関して、貴社の記事は主には下記の3つの傾向が顕現化している旨、回答します。
(1)取材対象や当事者の認識を確認することなく、貴社の主観的表現や想像を一般化したり、あたかも客観的事実かのような表現で報道する傾向。
(例1)5月29日記事の表現「左にぶれて行き詰まり、今度は右へ。世論や他党の顔色をうかがいながら、文字通り『右往左往』しているのが国民民主党だ」(そういう事実はない)
(例2)6月28日記事の表現「『モリ・カケ』中心の他党との差別化を図る意図がにじんだ」(→そういう事実はない)
(例3)6月23日記事の表現「党首討論に関しても、大塚耕平共同代表の存在感をアピールするために開催にこだわった」(→そういう事実はない)(2)取材対象が説明した内容や言葉とは異なる表現や言葉を用い、意図的に事実を歪曲するように報道する傾向。
(例)5月7日の新党結成は、特定の政党との合流ではなく、広く新党参加を呼びかけていると説明しているにもかかわらず、民進党と希望の党との「合流」という表現を断定的に用いる報道を繰り返している(→具体例は自社で確認願いたい)
(3)インサイドストーリー的な記事等について、取材の事実や根拠を提示しないまま、あたかも実際に聞いたかの如(ごと)く報道する傾向。
(例1)6月29日記事の内容。立憲民主党枝野代表から電話があり、枝野代表が電話を切った事実を記者会見で述べたものの、会話の内容等には一切言及していないにもかかわらず、
あたかも直接聞いたかのような会話形式の記事を作成している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180731-00000505-san-pol