僕は物書きにしては短気というか、思慮が足りないところがあると自覚している。感情が前に前に出てどんどん筆が進んでしまうし、なんなら原稿を書くとき、論理立てて書くためのサマリーもほとんど用意していない。
だから理屈っぽいことが全く書けないし、そういうことを考えるのも面倒なタイプで、ウェットでいやらしい文章ばかり出来上がってしまう。
なんでいきなりこんなことを書いたのかと言えば、今回はちょっと、理屈っぽい人をテーマにしようと思ったからだ。(文:松本ミゾレ)
「細かいことにうるさかったり、自分が正しいと匂わせてたり、まあ不快なやつ」
先日、おーぷん2ちゃんねるで「理屈っぽいって言われ続けてるんだが直したい」というスレッドを見つけた。スレ主は普段、周りから理屈っぽい人と言われているそうだが、自分ではどんなタイプが理屈っぽい人なのか、よく分かっていないという。それでわざわざスレッドを立てたらしい。
まあでも、理屈っぽいというのは決して弱点ではない。考えようによっては論理立てて物事を考えることができ、即断即決型がやらかす無思慮から来るような失敗を回避できるタイプとも言える。
ただ、スレッドに書き込まれた意見を見てみると、「理屈っぽい人」の印象は大方、割とネガティブなものが多かった。いくつか引用して紹介してみたい。
「説明が下手くそな人=理屈っぽい」
「理屈っぽいと言われるのは細かいことにうるさかったり、自分が正しいと匂わせてたり、まあ不快なやつということだ」
「言い訳がましい人」
他にももっと酷い声もあったにはあったんだけども、ざっとこのぐらいで。やっぱり世間一般の人たちの言う「理屈っぽい」って、どうにも不快な発言をしてくる対象にあてがわれる称号だと思う。「論理的な人」とか「理屈っぽい、大いに結構だと思うけどなあ。逆に言えば筋道通ってたら納得してくれる人って事でしょ」という肯定的な声は少なかった。
ただ、その”不快な発言”が正しいこともあるわけで、傍目には理屈っぽい人の方がまともに見える場合はある。バイアスが違えば見え方も違うのだ。もしもこのコラムを、普段から理屈っぽいと言われがちな人が見ていたとしても、それはあまり気にしなくていいと僕は思う。
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