台湾・台中での「東アジアユース競技大会」中止 中国が圧力か
https://www.sankei.com/world/news/180724/wor1807240028-n1.html
【台北=田中靖人】東アジア・オリンピック委員会(EAOC)は24日、北京で臨時の理事会を開き、2019年8月に予定していた
「東アジアユース競技大会」について、台湾中部・台中市での開催を取り消した。
中国の圧力が背景にあるとみられ、台湾の総統府は「粗暴な手段で政治がスポーツに干渉した」として中国を
「厳しく非難する」との声明を発表した。
東アジア五輪委は日中韓など9カ国・地域(グアムはオブザーバー)で構成。台湾の「中華オリンピック委員会」によると、
理事会で議長国の中国の代表が突然、台湾の民間団体が20年の東京五輪に「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」ではなく
「台湾」名義での参加を目指す署名運動をしていることを問題視し、台中での大会が「政治リスクに直面している」と主張し、
開催中止の採決を求めた。台湾は反対、日本は棄権したが、議長を含む賛成7票で中止が決まった。
台中市は14年に開催権を獲得。同市によると、すでに約7億台湾元(約25億円)を投じて施設を整備してきた。
今後、大会が別の場所で開催されるのかなどは決まっていない。
東京五輪での「台湾」名義での参加を求める運動は、日台の民間団体が進めている。
台湾の呉●(=刊の干を金に)燮外交部長(外相に相当)は6月の産経新聞の取材に対し、運動に謝意は示しつつ「実際には困難だ」と述べ、
政権としては名義変更を求めない意向を示した。
中国は、台北で昨年8月に開催されたユニバーシアード夏季大会でも、団体選手の参加を見送った。