自民党の杉田水脈衆院議員が月刊誌への寄稿で、同性カップルを念頭に「彼ら彼女らは子どもを作らない、つまり『生産性』がない」と記したことに対し、LGBTの当事者や識者からも批判の声が上がる。

 レズビアンを公表し、企業や団体向けに講演や研修をする増原裕子さんは、「生産性がない」などの記述に対し、「相模原の障害者殺傷事件や同性愛者を虐殺したナチスの優生思想とリンクする」と話す。
また、LGBTへの差別について「データでも示されており、(杉田氏の)現状認識が間違っている」と指摘。自殺したゲイやトランスジェンダーの友人もいるといい「杉田氏は『支援の度が過ぎる』と言うが、支援が当たり前ではないか」と語った。

 千葉商科大専任講師で、評論家の常見陽平さんは23日午前、自らのブログで「与野党の超党派で議員が取り組んできたことにあまりに無頓着だ」と批判。
寄稿に、明らかな事実誤認や差別的発言などを少なくとも18カ所見つけたという。「LGBT当事者に生産性がない、と断じた点は優生思想で、完全にアウトだ。
自殺者がいるのを知らないのか、自分の目の前だけを見て差別はないかのごとく書く」と指摘した。
ヘイトスピーチ問題に詳しいジャーナリストの安田浩一さんも「『生産性』の有無で人々を区分けするのは、残念ながら一部の保守層の中にある考え方ではないか」と指摘。
「『弱者らしく』していれば守られるべき存在として扱うが、物言うマイノリティーが現れた途端に『保護されすぎている』とたたく。
このように多数派の権利を守るために少数派の声を弾圧するのが今の社会。大きな危機感を抱かざるを得ない」と話した。


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