憲法が「国権の最高機関」と定めた言論の府の惨状も極まった。
安倍1強政治のおごりがもたらした民主主義の危機は一層深まったと言わざるをえない。

 きょう閉幕する通常国会で、カジノ実施法を強行成立させた。

一方で、行政の公正性や政治への信頼を深く傷つけた森友・加計問題は、誰一人政治責任を
取らぬまま、真相解明はたなざらしにされた。
 巨大与党を従えた長期政権の弊害が、国の統治を根腐れさせようとしている現状を、これ以上見過ごせない。

国会の機能をこれほど形骸化させた第一の責任は、安倍首相にある。

森友学園との国有地取引をめぐっては、首相の妻が名誉校長を務めていた学園に特別な
便宜が図られたのではないかという疑惑は、国民の「知る権利」を侵し、
民主主義の土台を掘り崩す事態にまで発展した。

多様な価値観をぶつけ合える政治の多元性を取り戻すことができるか。
自民党の総裁選でそれが問われる。

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