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太陽がぎらつく。沖縄平和運動センターの山城博治議長が、交通規制材の前でメガホンを握った。

「市民を歩道に囲い込んで押し込む。腹立たしくてならない!」

声に一層、力が入る。
「ここは闘いの最前線。人権と地方自治を守る最前線でもある。状況は厳しいが、しなやかに、したたかに、頑張っていこう!」

山城議長の視線の先にトラックが見えた。すぐに数珠つなぎになる。基地の中から警察官が出てきた。

午前9時前、座り込んだ市民の「排除」が始まった。
手や足を持って、あるいは脇を抱えて、警察官が市民をゲート前から移動させる。
「暴力やめろ」「痛い、痛い」「アメリカ防衛局!」。そんな声が交錯する。

「排除」が進む後方で、警備員がゲート前の柵を一部移動させた。
さらに別の警備員が、赤いフォークリフトを引っ張って来た。
交通規制材の中には水が入っており、重い。その下にリフトの「爪」を差し込んで持ち上げ、警備員が基地内に運んでいく。
規制された車道上でも作業が行われ、市民が「路上での作業をなぜ許すのか」と警察に抗議した。

交通規制材と柵は、工事車両が進入する部分だけ移動させられた。
市民の「排除」が終わり、資材を積んだトラックが基地に入り始めたのは、午前9時25分ごろ。
「排除」に、通常のおよそ倍の時間がかかったことになる。その間、国道329号は渋滞が続いた。
ゲート前から望遠レンズを向けたが、最後尾のトラックは捉えられなかった。

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