■■これが朝鮮の「宮廷料理」…「腐臭がしてとても食べれなかった」 ■■

明治9年(1876)、日本政府は、日朝修好条規を協議するため、宮本小一外務大丞をソウルへ派遣した。
宮本小一は、朝鮮国にて国賓としての歓迎を受け、帰国後に「朝鮮政府接遇記略及風俗概要」を書いている。

これには、当時の朝鮮国の衣食住や人々の風俗がよく描写されており、とても興味深い。 ここでは、その中から朝鮮国の宮廷の料理について書かれた部分を抜粋してみた。

(「宮本大丞朝鮮理事始末 四/1 朝鮮理事日記/1」p30 )


・食事について
食事は1日2回で、たいてい10種類から18種に至る。
三尺四方ばかりの有脚盆に、うずたかく盛り上げて、倒れ落ちるのを恐れるばかりである。 牛豚鶏魚の肉、草餅、羮汁など、みな、器、皿に堆積する。
しかし、臭味がひどく箸を下す者が少ない。
炎熱の時節でもあり、その異様な腐臭に堪えきれず、胃腸も慣れないこともあって、食傷を恐れて箸を下す者が稀であった。
なお、庶民のものは不潔で食べるべからずと言う。なおメニューにキムチは見当たらない。

・味付けについて
また、たいてい胡椒と唐辛子を加えて調理しており、この2味を用いないものは無いも同然である。それゆえに朝鮮人は咽喉への刺激により、一種の咽喉の病気を受ける者が多いと聞く。
醤油は上品下品とあって、極上品は日本製に及ぶが、値段が高すぎて容易に得ることは出来ないと言う。
下等品は不味くて食せない。味醂はない。砂糖も無いので蜜を代用している。牛乳は用いない。

・米について
米は日本のものと似るが、粘質に乏しく日本の下等品よりも劣る。

・膳台や食器について
盆や膳類は、漆が剥げ落ち、垢がついて全て不潔さを感じた。
磁器皿の類は、日本伊万里の下等品および呉洲のものが混じる。
朝鮮のものは、質が厚くて粗雑で石のように重い。
いずれも汚れたような不潔さを感じる。