ベルギーは日本を過小評価していたかもしれない。試合後の記者会見でマルティネス監督は否定したが、攻めてきた前半の戦いぶりは余裕が垣間見えた。
立ち上がりからデブルイネ、ウィツェルがロングボールを左右に振った。中央のルカクにボールを集め、日本にシュートを浴びせた。しかし、自陣には必ず3、
4人を残していた。日本のカウンター攻撃に対する備えというよりも、前線は個々の能力差で打開できると踏んだのだろう。
状況は一変する。後半開始早々に原口、乾の連続ゴールで2点を追う展開になったためだ。ベルギーにようやく攻撃のリズムが生まれたのは後半20分。
フェライニ、シャドリを投入すると、直後にクリアボールに反応したフェルトンゲンがヘディングし、高く上がったボールが日本ゴールの右隅に決まった。
「0−2になってから楽しめた。ハングリーになれるチャンスだった。8強に入りたいという思いが生きた」とマルティネス監督。フェライニ、シャドリのゴールで逆転して、采配も的中させた。
サッカー王国ブラジルに挑む次戦を見据え、司令塔のデブルイネは「ブラジルの方が良いチームだと言う人が多いだろうが、勝つために最善を尽くしたい」と力を込めた。
苦戦を強いられた決勝トーナメント1回戦は次戦への良薬になった。【大谷津統一】
https://mainichi.jp/articles/20180703/dde/035/050/060000c