2016年5月、米国ミネソタ州の男性はミシシッピ川近くの森にキノコ狩りに行ったが、希少種のキノコよりもさらに珍しいものを見つけた。
藪の中に横たわっているそれは生まれたての子鹿だったが、一つの身体に2つの頭を持っていたのだ。
■希少な双頭結合児の子鹿
すでに冷たくなっていたこの子鹿は雌で、全長約60センチメートルの長さの結合した双子だった。その姿はごく自然で、毛並みも整えられていた。
動物の母親は、分娩後に子どもをなめて呼吸中枢に刺激を与え、最初の排泄を促して、赤ん坊を蘇生しようとする。この子鹿の母親も死
産だったわが子の身体をなめて乾かし、蘇生させようと試みたのかもしれない。母鹿の母性本能は非常に強い。
発見者の男性は、近くのミネソタ州天然資源省に子鹿を運んだが、その後自分が驚くべきものを発見したことを知った。この双頭の子鹿の
発見は、雑誌『ザ・アメリカン・ミッドランド・ナチュラリスト』の4月号に掲載され、結合した子鹿がどれほど驚くべき発見かが書かれている。
結合双生児は羊、牛などの家畜、あるいは猫をはじめとするペットでは割と一般的だが、野生動物ではめったに起きないと言われる。1
671年から2006年までの全ての科学文献を調べても、野生動物の結合双生児が見つかったのはわずか19例しかない。
オジロジカの結合双生児は他に2例が報告されているが、両例ともに双子が子宮内にある間に母親と子どもは死亡した。この子鹿が非常に
珍しいのは、世界で初めて母鹿が結合双生児の子鹿を自然出産した例だからだ。
■検査結果
発見後の子鹿の死体は、ミネソタ州天然資源省で詳細な研究が可能になるまで凍結されていた。
そして今回、ジョージア州のジョージア大学で鹿の生態を研究しているジノ・ダンジェロ氏と同僚が、双頭の子鹿のコンピュータ断層撮影および磁気共鳴画像スキャンを実施し、完全な剖検を行った。
ダンジェロ氏は、この双頭の子鹿は非常に珍しく貴重な事例だと強調する。毎年米国では数千万の野生の子鹿が生まれるが、それらの奇形が人間に発見されることはほとんどないからだ。
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