追及逃れのコミュニケーション術、安倍政権の「ご飯論法」がヒドすぎる


「ご飯論法」という言葉が注目されている。

意図的に“論点ずらし”や“はぐらかし”をして国会での質問にきちんと答えない安倍政権の答弁手法のことだ。

この言葉の命名者である漫画評論家・ブロガーの紙屋高雪氏がこう説明する。

「上西充子(みつこ)法政大学教授がツイッターで、安倍政権のでたらめな国会答弁ぶりを『朝ごはん食べた?』という質問への回答を例に挙げて上手に説明していたんです。

ちょうど国会での佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官の証人喚問を聞いて、『なんだ、このはぐらかしぶりは?』と愕然(がくぜん)としていたこともあって、
上西教授の説明をもとに『佐川氏の答弁はご飯論法』だとツイートしたら、いつの間にかこの名前がネット上で定着していました」

ではあらためて、「ご飯論法」を発案した上西教授に、安倍政権の答弁ぶりについて聞いてみよう。

「明らかなウソは言わないけど、本当のことも言わない。それでいて、
ちゃんと答弁しているかのように錯覚させてしまう。国会の質疑がそんな“騙(だま)した者勝ち”のようになっていることを多くの人に知ってほしくて、『ご飯論法』をひねり出してみたんです」

確かに今の安倍政権の国会答弁は「ご飯論法」のオンパレードだ。

例えば今年2月20日の衆議院予算委員会。裁量労働制のデータ捏造(ねつぞう)疑惑の追及に立った立憲民主党の長妻昭代表代行が「(厚労省の)忖度があったのでは?」と質問したときのこと。
安倍首相の答弁は「私や私のスタッフが指示したことはない」というものだった。

「長妻議員は忖度の有無を聞いているのに、首相は自分で勝手に『指示』に限定し、『それはしていない。だから問題ない』と、追及をかわそうとしました」(上西教授)

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