アメリカの二輪車メーカー、ハーレーダビッドソンは、EU=ヨーロッパ連合がアメリカに対する報復措置として課した高い関税を避けるため、ヨーロッパ向けのバイクの生産を国外に移すことを明らかにし、
強気の通商交渉を仕掛けて製造業のアメリカ回帰を訴えるトランプ大統領にとっては皮肉な結果となっています。

ハーレーダビッドソンは25日、ヨーロッパ向けのバイクの生産をアメリカ国内から国外の工場に移すと発表しました。

アメリカが、鉄鋼製品に25%の関税を課したのに対し、EUは先週から報復措置をとりアメリカ製のバイクへの関税を6%から31%に引き上げました。

会社によりますと、この措置でバイク1台当たりおよそ2200ドル、24万円の関税が上乗せされ、年間ではおよそ110億円にのぼるということです。
ヨーロッパでの売り上げはアメリカに次ぐ規模だということで、会社は値上げせずに事業を継続するためには、やむを得ない選択だとしています。

製造業の国内回帰を訴えるトランプ大統領は、たびたびハーレーダビッドソンをメイドインアメリカの象徴として持ち上げてきましたが、
みずから仕掛けた強気の通商交渉で、逆に製造業の拠点が国外に移転するという皮肉な結果を招くことになりました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180626/k10011495631000.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20180626/K10011495631_1806260621_1806260631_01_03.jpg