週明けの国会は25日、参院予算委員会の集中審議が行われ、正常化する。27日まで安倍晋三首相が出席する質疑
が続き、主要野党は森友・加計学園問題などを取り上げ、追及する方針だ。一方、与党はカジノを中核とする統合型リ
ゾート(IR)実施法案について参院での審議入りを目指す。

首相は26日に参院の内閣、厚生労働両委員会、27日には今国会2回目の党首討論に臨む。首相が国会に出席する
週には党首討論を開催しないのが慣例だが、会期延長による国会空転の長期化を避けたい与党側が、参院野党第1
党の国民民主党の要求をのんだ。

25日の集中審議の焦点は加計学園の獣医学部新設問題。加計孝太郎学園理事長が19日、政治問題化してから初
めて公の場に出て首相の関与を否定した。「到底、納得できない」(枝野幸男立憲民主党代表)とする野党側は、首相
の国会答弁との食い違いをあぶり出したい考えだ。

26日の内閣、厚労両委員会は、それぞれ米国を除く11カ国による環太平洋連携協定の新協定「TPP11」関連法案と
「働き方改革」関連法案の質疑を行う。首相出席の質疑は採決の前提条件。与党は委員会採決を経て、27日にも両
法案の成立を目指しており、引き続き野党側に働き掛ける。

一方、カジノ法案について、与党は29日に参院で審議入りさせたい考え。同法案の成立阻止を目指す野党は内閣不
信任決議案の提出も視野に入れている。自民党が提出した参院定数を「6増」する公職選挙法改正案をめぐっては、
野党側が「党利党略だ」と批判を強めており、審議入りは見通せていない。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018062300410&;g=pol