本格的な田植えの時期を迎え、香川県まんのう町にある、国内最大級の農業用のため池では15日、水門を開けて下流に大量の水を送る「ゆる抜き」が行われました。
満濃池は、貯水量が1540万トンの国内最大級の農業用のため池で、かつて「ゆる」という木製の栓を抜いて下流に水を送っていたことから、田植えの時期に水門を開ける作業を「ゆる抜き」と呼んでいて、初夏の風物詩となっています。
15日ははじめに、地元の自治体や池を管理する土地改良区の関係者などが出席して、近くの神社で豊作などを祈る神事が行われました。
このあと参加者たちは取水塔に移動し、関係者が交代でハンドルを回して水門を開けると、毎秒5トンの水がごう音とともに水路に流れ出しました。
水路の近くには大勢の見物客が詰めかけ、勢いよく出る水に見入ったり写真を撮ったりして楽しんでいました。
高松市から訪れた女性は、「年に1回の行事なので毎年、来ていますが、いつ見ても水の流れがすごいと思いました」と話していました。
また、松山市の男性は、「初めて見ましたが、水が勢いよく流れる様子が気持ちがよくてすばらしい体験でした」と話していました。
満濃池から放流された水は下流の5つの市と町に広がるおよそ3000ヘクタールの水田を潤すということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180615/k10011479411000.html