仮想通貨を獲得する「マイニング(採掘)」の報酬を得るために他人のパソコン(PC)を無断で使用したとして、
神奈川、千葉、栃木など10県警は14日、不正指令電磁的記録(ウイルス)供用容疑などで神奈川県平塚市のウェブサイト運営業、荻野剛生容疑者(31)ら3人を逮捕し、
18〜48歳の13人を書類送検したと発表した。マイニングはこの1年に国内で爆発的に広まったが、マイニングに絡んだ不正使用での立件は初めて。

容疑はいずれも昨秋以降、自身が運営するホームページ(HP)に、閲覧しただけでマイニングに参加するプログラムを設置。
閲覧者が気付かないままPCに指示を送り、不正にマイニングをさせたとしている。
使われたプログラムは「Coinhive(コインハイブ)」と呼ばれ、HPにプログラムを設置すれば閲覧者のPCにマイニングをするよう指示を送ることができる。
16人はまとめ記事サイトなどを運営しており、そこにプログラムを設置したという。マイニングで得られる報酬の3割を開発者側、7割を設置した人が得ていた。

各県警は「閲覧者が容易に認識し閲覧を中止できるネット広告と異なり、説明がなければマイニングに気付かない」と判断。
閲覧者の了解を得ずにPCの中央演算処理装置(CPU)を使わせマイニングをさせることから、ウイルス供用罪などで定める
「(所有者の)意図に沿うべき動作をさせず、または意図に反する動作をさせる」に該当すると判断した。
HPにマイニングを明示している場合は立件しなかった。

この事件で、3月に横浜簡裁からウイルス保管罪で罰金10万円の略式命令を受けたウェブデザイナーの男性(30)と弁護人が14日、東京都内で記者会見。
「閲覧者のPCに指示を出す仕組みはネット広告などでありふれていて、PCを破壊したり悪影響を与えたり個人情報を盗んだりするものではない。
HPを閉じたら動きもせず、閲覧者の意図に反するものでも不正な指令でもない」と反論した。
起訴内容を否認しており、今後、横浜地裁での正式裁判に移行するという。

http://mainichi.jp/articles/20180615/ddm/041/040/129000c
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2018/06/15/20180615ddm001010032000p/6.jpg
ちょっとだけ続く