沖縄県内男性で最高齢の津波蒲戸(かまど)さんが10日、満110歳となり、入所する読谷村の地域密着型介護老人福祉施設「紅華の森」で家族や施設職員が誕生会を開いた。
明治から平成まで四つの時代を生きた津波さんは、大好物の天ぷらを頬張り「ジョートー!」と元気いっぱいの姿を見せた。
「ハイ! ヤーサイ」と掛け声を口にしながら、職員に手を引かれて歩いて誕生会に登場。
白内障で視力はほぼなく、右耳が少し聞こえる程度だが、三線で「唐船ドーイ」が奏でられると思わず立ち上がって三女の我謝カズ子さん(75)らとカチャーシーを踊った。
嘉手納基地内の車のペンキ塗りなどで生計を立てた。
88歳で先立った妻カメさんとの間に子6人、孫16人、ひ孫27人に恵まれた。
四女の知花ヨシ子さん(73)は「父は女手一つで育ち苦労したようで、私たちにくわ一つ持たせず、子育て熱心だった。だからみんなお父さんっ子なの」と目を細めた。
三枚肉も大好物で、野菜は苦手。昨年秋に入所したが、1度風邪を引いただけですこぶる健康という。
職員手作りのバースデーケーキのろうそくに息を吹き掛け「気持ちがいいですよ。にふぇーでーびる」。
施設内に「ハッハッハッ」と張りのある笑い声を響かせた。
最新の県内長寿者上位20人(2017年9月)で男性は津波さん1人。
世界で存命中の男性最高齢は北海道足寄(あしょろ)町の野中正造さんで112歳。(中部報道部・篠原知恵)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/265212
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