DNAから年齢推定、容易に 京都府警、犯人像早期絞り込み期待
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180609-00000019-kyt-sctch
京都府警科学捜査研究所(京都市上京区)の若手研究員が、犯行現場に残された血液や唾液のDNAから簡単に年齢を推定できる新たな鑑定手法を考案した。
従前より安価な費用で短時間に解析できるといい、府警は「事件発生直後の犯人像の絞り込みも可能」と実用化に期待を寄せている。
法医担当の濱野悠也専門研究員(31)が考案した。DNAには加齢により構造が変化する特徴がある。濱野研究員は、人と動物の違いを見分ける際に日常的に使用していた「融解分析」の手法を活用。
DNAの二重らせん構造を高温下でほどくことで、加齢による変化を容易に解析することに成功した。
たばこの吸い殻に付着した唾液など微量な遺留物でも鑑定できる。費用は1回数百円で、解析時間も半日ほど。
誤差は平均6歳程度にとどまるという。
DNAによる年齢推定はこれまでから、国内の限られた研究機関で行われていた。しかし、数十万円の費用が必要で、結果が出るまでに約1週間かかるなど実用化には課題が多かった。
濱野研究員は科捜研勤務のかたわら、京都大大学院で、法医学の権威玉木敬二教授の指導の下、年齢推定の研究を続けてきた。
研究成果は昨年9月に英科学誌に掲載され、今年3月には府警職員として初の医学博士号を取得した。
濱野研究員は「ドラマ『科捜研の女』に憧れ、今の仕事を志した。今後も、捜査の現場で活用される技術の精度を高めたい」と話している。