システム慎重移行 9日から障害回避へ1年かけ
みずほフィナンシャルグループ(FG)は9日、入出金や口座情報を管理する銀行業務の基幹システムを、
新システムに移行する作業を始める。傘下のみずほ銀行は過去2度も大規模なシステム障害を起こしているだけに、
9回に分けて段階的にデータを移行するなど、1年がかりで「安全かつ着実に」(坂井辰史社長)進める構えだ。
作業期間中は現金自動受払機(ATM)やインターネットバンキングが使えなくなるため、利用者に注意を
呼びかけている。
過去2度最大規模障害
第一勧業、日本興業、富士の旧3行が統合して発足したみずほFGでは、これまで旧行のシステムが併存してきた。
旧一勧と旧富士のシステムは2004年に統合しており、今回の新システム移行によって旧3行のシステムがようやく
一本化する。みずほ信託銀行のシステムも新システムに移行し、銀行・信託の連携強化が進む見通しだ。
みずほ銀は02年4月の合併初日と、11年3月の東日本大震災直後に大規模なシステム障害を起こしており、
11年は当時の銀行トップの引責辞任に発展した。新システムが稼働すれば、障害が発生した場合も迅速に復旧でき、
新たな商品・サービスの導入も簡単になるという。
一方で、再び障害を起こせば厳しい非難は免れず、同行は慎重に準備を進めてきた。新システムは当初、15年度末に
完成する予定だったが、準備に時間をかけ、昨年7月にずれこんだ。開発費も3000億円台前半の想定から4000億円台
半ばにまで膨らんだ。
移行は9日から来年度上半期までの計9回、週末や3連休に合わせて行う。初回は9日夜から11日朝。期間中は
コンビニエンスストアや他の金融機関のATMでもみずほ銀のキャッシュカードを使えず、インターネットバンキングも
利用できない。9回目はみずほ信託のサービスも使えなくなる。FGの個人顧客は約2400万人と影響が大きく、
移行作業中にトラブルなどが生じた場合は作業を中断する。【古屋敷尚子】
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