平昌五輪でカーリング女子日本代表が「おいしい」と絶賛した韓国のイチゴが、日本から流出した品種に由来するものであったと
判明して大きな話題になったことは、記憶に新しい。(略)
韓国で人気のサツマイモ「べにはるか」も、日本で開発された品種が流出した一例である。
べにはるかは、九州沖縄農業研究センター所長だった山川理氏が、2007年に開発した。山川氏のツイートによると、べにはるかは
韓国での栽培面積の約半分を占めたという。(略)
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その後、『サンデー毎日』2018年4月22日増大号に、山川氏のインタビュー記事が掲載された。
「よくぞ韓国人好みのべにはるかを開発してくれたと喜ばれた」という。だが、「ライセンス料が日本に入ってこない。複雑な気持ちで、
苦笑するしかありませんでした」。「10年前から品種登録をすべきと権利保持者の農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)に
言ってきたのに、手続きが煩瑣なこともあって怠ってきたために起きた結果だ」。(略)
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当サイトでは、農研機構の知的財産課に話を聞いた。(略)
ライセンス料を得るために海外で品種登録することは、山川氏が述べている通り、様々な困難を伴うという。
そもそも、登録が実現しないことが多いと、担当者は述べる。(略)
種苗を提出する際に検疫等があるために、結果として出せないことがあるという。(略)
山川氏から農研機構に繰り返し働きかけがあったとされる点について詳細を尋ねたが、『サンデー毎日』の記事を実際に
読んだ上で上司にも確認する必要があり、現時点では回答できないとのことだった。べにはるかに関して、今から海外で
品種登録することは不可能なのか。そのように聞いたところ、それはできないという。
海外での品種登録を行うことができるのは、国内での譲渡もしくは販売の開始から4年以内のものに限られるというルールが
あるからだ。したがって、国内で登録出願してから、短期間のうちに海外での登録出願も行うことが必須となる。
べにはるかの場合、既に4年以上が経過しているため手遅れであると、担当者は説明した。(略)

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