(CNN) 空港でチェックインや保安検査の列に並んだり、乗り継いだりする面倒はもう無用。その場ですぐに乗り込み、世界中のどこまでも飛んで行くことができます――。
英国の新興企業が、ヘリコプターのように離着陸できる高速ジェット機の開発を進めている。
SAMADアエロスペースが開発している「スターリング・ジェット」の定員は操縦士1人と乗客4人。どこからでも垂直に離着陸し、時速724キロで飛ぶ。
電気とディーゼルのハイブリッドで、二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えているという。
先ごろ開催されたシンガポール航空ショーで試作機が公開された。開発チームは2020年の就航を目指している。
SAMADのセイエド・モフセニ最高経営責任者(CEO)は「人類や貨物が世界を飛び回る、その方法に変革を起こすのが私たちの夢」と話す。
「車より安全で100パーセント臨機応変、電気自動車のように環境に優しく、どんな飛行機や列車よりも時間を節約できて、プライベート・ジェットのようにぜいたく。そんな乗り物を想像してください」
スターリング・ジェットのスピードと快適さは政治家や大企業幹部の移動に最適だと、同社は強調する。
同じシリーズには電気のみで飛ぶ2機種もある。「Eスターリング」は7人乗りで、これもビジネス用途向け。「UAVスターリング」は貨物輸送や観測用だ。
開発費は約1億2500万ドル(約133億円)に上るとみられるが、モフセニ氏らのチームは「必ず完成させる」と意気込みを見せる。製造や研究開発で、数千人の雇用創出効果も見込まれるという。
垂直離着陸のジェット機としてはほかにも独リリウムが「リリウム・ジェット」、欧州の大手エアバスが「バハナ」の開発を進めている。
https://www.cnn.co.jp/tech/35115462.html
https://www.cnn.co.jp/storage/2018/03/01/1c7d16fee9bf38fcff641018d532d43d/starling-jet-001.jpg
https://www.cnn.co.jp/storage/2018/03/01/52ae61140ef46fc950956cadabaf3e0c/starling-jet-002.jpg