政府は世界自然遺産候補の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦をいったん取り下げることを閣議了解した。

今後、推薦書を再提出する際、遺産価値に挙げていた生態系と生物多様性のうち、生物多様性に絞ることも決めた。理由はユネスコの諮問機関である国際自然保護連合で、生態系の連続性を確保できていないと判断されたためだ。

「資産の分断が生物学的な持続可能性に重大な懸念がある」と指摘された場所は、未返還の米軍北部訓練場を指しているはずだ。推薦地を分断する形で存在しているからだ。

<中略>

米軍普天間飛行場の返還に伴う名護市辺野古の新基地建設について、IUCNは陸地だけの推薦地としては「登録に与える影響に懸念があったが、一定の距離がある」としている。
その一方で「厳格な外来種の防除対策」を求めている。環境負荷を危惧する意見が出ていたことも勧告に記された。
自然遺産と米軍基地は相いれないのだ。

世界自然遺産条約は、人類共有の価値ある自然または文化を未来に引き継ぐことを目的にしている。
人類の宝ともいえるやんばるの自然を未来に残すためには、戦争を引き起こす米軍基地を残すことは許されない。

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