【現場から、】「なくせ!危険運転」東名夫婦死亡事故、長女からの手紙
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20180601-00000033-jnn-soci


シリーズ「なくせ!危険運転」です。東名夫婦死亡事故で両親を亡くし、自らは奇跡的に助かった長女からの手紙です。「あの日のことを毎晩思い出してしまう」。長女の心には今も深い傷が残されています。

 「毎晩思い出してしまうので今でも辛いです」

 手紙にこう綴ったのは、去年6月、東名夫婦死亡事故で亡くなった萩山嘉久さん(当時45)と友香さん(当時39)の長女(16)です。
萩山さん一家が乗ったワゴン車は、パーキングエリアで注意した石橋和歩被告から執ようなあおり運転を受け、追い越し車線に無理やり停車させられました。

 嘉久さんは石橋被告に胸ぐらをつかまれるなど暴行も受け、そこに後続のトラックが突っ込んだのです。長女と次女(12)は奇跡的に助かりました。

 「(お父さんは)自分のことより、家族とか私たちのことを考えてくれていて」(萩山さん夫婦の長女 去年6月)

 事故直後、長女はこう話していました。今回、JNNの取材に対し寄せた手紙。あの日のできごとについては。
 「道路で止まっているときに、父が殺されてしまう。連れて行かれてしまう。と思って見ていたことがすごくトラウマです。やめてと言っても、泣いてもやめてくれなかったことが本当に怖かったです」

 石橋被告は危険運転致死傷の罪で起訴され、今後、裁判が開かれます。長女は「重い刑罰になるべきだ」としたうえで、こう続けています。
 「反省しないなんてあり得ません。自分を守る謝罪ならいらないけれど、心からなにか思っているのであれば聞いてみたいとは思います」

 長女はいま高校2年生。突然、両親を亡くし、中学1年生の妹と2人きりになり、母親の実家で暮らしています。

 「両親には何度も今までのことを手紙に書こうと思ったけど思い出すたびに涙があふれ棺に手紙を入れてあげることさえできませんでした。もし、ただの骨ではないなにかになっているのだとしたら、幸せであってほしいということを伝えたいです」

 そして、手紙の最後はこう締めくくられていました。

 「今後、このくだらない事故が少しでも世の中をよりよく変えてくれるなら無駄ではないと思えます。だからそのような人が減っていってほしいです」
(01日10:09)