死亡事故、静止中の車に突入…Teslaが集団訴訟でオートパイロット実現の遅れを認め一部返金
2018.05.31 20:30
今月も事故続きのオートパイロット。「使えなくて危ない」とオーナーから集団訴訟されていた件でTesla社は和解金で示談に応じました。
和解金はまだBeth Labson Freeman地裁判事の承認待ちですが、500万ドル(約5.5億円)以上になる見通しです。「危ない」というところは認めず、
約束したオートパイロット機能の実現が遅れている部分は認め、2016年10月から翌年9月までの間に半自動運転(運転アシスト)機能付きのモデルSと
モデルXを購入&リースしたオーナーに1人20〜280ドルの補償を支払うことで合意しました。
昨年4月に提訴された当初は「事実と異なる」、「誠意がない」、「センセーショナリズム」と大反論していたTeslaも次第にトーンダウンし、今は「2016年の
第2世代システム導入でオートパイロット機能は大幅に改善したが、当社の期待や予想より機能の導入が遅れたのは明白だ」と認める姿勢を示しています。
補償されるのは「使いものにならない」と訴状で書かれたオートパイロット機能のパッケージに5,000ドル(約54万円)支払ったオーナーのみなさんです。
もう3,000ドル上乗せして「完全自動運転」のパッケージを購入したオーナーにはまだお金は戻ってきません(実現時期が明記されていないため)。
和解の内容が承認されれば、「全世界のカスタマーに同等の補償を行う」と同社は発表していますよ。
オートパイロットはTeslaが大々的にPRしていた看板機能で、「これを導入すれば事故率が40%激減する」とPRしてきましたが、この数値についても
「高速道路交通安全局のエアバッグの事故の調査からの都合のいい引用」と批判されており、イーロン・マスクCEOも「単に事故率が下がるだけだ」
と慎重に言葉を選ぶようになっています。消費費者団体からの圧力で連邦取引委員会も「詐欺的で不当」な宣伝がなかったか調査に動いていますからね…。
実際、オートパイロット機能は宣伝の謳い文句通りには実現できていません。何か月もアップデートがないままのこともあるし、少なくとも3人のドライバーが死亡してもいます。
https://www.gizmodo.jp/2018/05/tesla-agrees-to-settle-action-suit.html
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