25日に衆院厚生労働委員会で採決された働き方改革関連法案を巡り、野党の抵抗戦術に濃淡がみられた。立憲民主党の議員が委員長席に詰め寄って抗議したのに対し
、国民民主党は同委理事だけが委員長席に近づくなど、やや抑制的に振る舞った。安倍政権への対決色を強める立憲と、「対決より解決」(玉木雄一郎共同代表)の提案型を志向する国民民主の違いが出たようだ。

 「最後まで採決させないよう、いろいろな手段で頑張りたい」。同日午前、立憲の辻元清美国対委員長は徹底抗戦の考えを記者団に示した。
立憲などの野党は当初、委員会に先立つ理事会阻止のために理事会室前でピケを張る予定だった。だが高鳥修一委員長(自民)はいきなり委員会室に入室し、
職権で理事会を省略して委員会を始めた。立憲側の準備は空振りに終わった。

 この中で、国民民主の山井和則、柚木道義両氏らはやや離れた場所で「採決はおかしい」「駄目だ」などと訴えるにとどめた。
泉健太国対委員長は採決に先立つ党会合で「与党が強引に議事を進めてくるでしょう。その悔しさ、無念さをしっかり目に焼き付けてください」と呼びかけ、
乱暴な振る舞いで懲罰を受けないよう自制を求めていたためだ。

 7日に結党したばかりの国民民主には、立憲との違いを鮮明にしたいとの思惑がある。玉木氏は「原則、審議拒否はしない」と表明しており、
与党と日本維新の会が共同提出したギャンブル依存症対策基本法案には賛成した。働き方法案では修正協議を与党に呼びかけている。

 立憲議員は従来型の抵抗戦術を展開。委員会採決に先立つ衆院本会議では、西村智奈美・厚労委野党筆頭理事が加藤勝信厚労相に対する不信任決議案の趣旨弁明を
2時間6分にわたって行った。加藤氏答弁を「はぐらかしに終始した」などと批判。採決遅延を狙う「フィリバスター」と呼ばれる戦術で、
衆院事務局によると記録が残る1972年以降で最長の演説だった。【遠藤修平、立野将弘】https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180525-00000136-mai-pol

安倍自民の働き方法案強行採決で厚生労働委員長の原稿奪い抗議する野党議員ら
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