今世紀に入ってからのNECは、縮小に次ぐ縮小の歴史だ。

かつて世界一を誇った半導体は10年に旧ルネサス テクノロジと経営統合してルネサスエレクトロニクスとなった。
17年には保有株のほとんどを売却して撤退した。

PC98シリーズで国内首位を走ったパソコンも、11年に中国のレノボに持ち分の大半を譲渡した。

14年まで国内首位だった携帯電話は、カシオ計算機と日立製作所の共同出資会社、NECカシオモバイルコミュニケーションズに移行。
14年、日立とカシオの持ち株を買い取り、完全子会社のNECモバイルコミュニケーションズとした後、16年に会社を解散した。

インターネット黎明期からプロバイダー事業を展開してきたビッグローブは14年、投資ファンド・日本産業パートナーズに売り渡した。

事業の切り売りはさらに続く。
18年3月、車載用リチウムイオン電池市場でパナソニックに次ぐ売り上げを誇っていた、日産自動車との共同出資会社、オートモーティブエナジーサプライと、リチウムイオン電池の電極を製造する子会社を中国系ファンド・GSRキャピタルに売却した。
家庭用小型蓄電池事業の終了も決めた。

 儲かる事業は見当たらない。