2011年3月の東京電力福島第1原発事故後、人口が急減した福島県が、都市部の若い世代にターゲットを定めた移住PRに力を入れている。
16日夜には、UIターンを促すアイデアを考えるイベントを東京都内で開き、20〜40代の男女15人が知恵を絞った。集うのはどんな人たちなのか。会場を訪れてみた。

Uターン促すアイデア出し合う

 「やっぱり仕事がないと移住はできない」「起業するにしても、移住先とのつながりがないとうまくいかない」「移住者と地域の人をどうやってつなげばいい?」──。

 テーブル上の模造紙に、意見が書かれたメモが次々と貼られていく。県が16日に開いたイベント「ふくしまUターン促進アイデアソン」。
東京都千代田区のイベントスペースに集まった参加者は、三つの班に分かれ、東京で暮らす架空の県出身者をモデルに福島へのUターンを促すアイデアを出し合った。

 参加者は福島出身者が多いものの、関東や関西、四国など県外出身者もいる。実際に福島への定住を検討している人もいれば、仕事で福島とつながりのある人、
ただ福島を応援したいと考えている人までさまざま。年代は30代が中心だが、就職活動中の大学4年生も含まれていた。「こうやって福島のことを考えていると、
だんだん愛着が湧いてくる」。テーブルからは笑顔とともにこんな声も上がった。

 福島県の人口は1997年の約214万人をピークに減少している。2011年以降は原発事故で多くの住民が県外へ避難したこともあり急減。
今年4月1日現在で約186万人まで落ち込んだ。県はこれまでも移住による人口定住策を進めてきたが、50代以上のシニア層向けの施策が多かったという。
人口減に歯止めをかけるには、子育て世代でもある20〜30代の増加が欠かせないことから、県は進学や就職で県外に出た20代後半から30代の世帯に
ターゲットを絞り、UIターンを促そうとしている。

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https://mainichi.jp/articles/20180517/mog/00m/040/020000c