北朝鮮は27日の南北首脳会談で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に対
する過剰とも言える警護体制を誇示した。最高指導者が触れるものを徹底的に消毒し、
安全を確認し、周囲を固めて警護した。敵対国である韓国を意識し、北朝鮮では見ら
れない警備もあった。
正恩氏が韓国側施設「平和の家」で芳名録に記帳したが、北朝鮮要員2人が記帳場
所に接近。1人が正恩氏が座る椅子や芳名録、ペンを徹底的に消毒した。もう1人は
近辺に爆発物がないかどうか点検。正恩氏が記帳する際は実妹の金与正(キムヨジョ
ン)氏が正恩氏にペンを渡し、正恩氏は韓国が準備したペンは使わなかった。
北朝鮮護衛司令部にいた脱北者によれば、男性たちは正恩氏の親衛隊として知ら
れる同司令部所属の974部隊要員。忠誠心の強い精鋭ぞろいで、正恩氏のそばから
離れず警護する。
北朝鮮内で現地指導する際、事前に正恩氏が触れる物や握手する予定になってい
る人物の手のひらなどを消毒しておくという。
ただ、車両警護は群衆の中に入るときに数人が並走する程度という。この脱北者は
「最高指導者が敵対国に入ったのは初めて。決死護衛の決意を米韓に誇示する狙い
があったのだろう」と語った。(ソウル=牧野愛博)
朝日新聞デジタル
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