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きょう沖縄市長選 翁長知事三重苦…連敗・財界離反・健康不安

沖縄県沖縄市長選が22日に投開票日を迎える中で、米軍普天間飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の
名護市辺野古移設阻止を目指す沖縄県の翁長雄志知事が、苦境に立たされている。翁長氏を支えてきた
「オール沖縄」から財界有力者が相次ぎ離脱し、県内市長選でも敗北が続く。翁長氏自身の健康不安もある。
沖縄市長選でオール沖縄系候補が敗れれば、さらなる打撃を受ける。

沖縄市は那覇市に次ぐ県内第2の都市で、大票田の選挙結果は今秋の知事選にも影響する。任期満了に
伴う市長選は新人で元市議の諸見里宏美氏(56)と現職の桑江朝千夫氏(62)の無所属2人が争う。
共産党や社民党など諸見里氏の推薦政党はオール沖縄と重なるが、街頭ポスターに「オール沖縄」の
文字はない。

県内11市のうちオール沖縄系の市長は2市のみで、2月の名護市長選でも翁長氏が推す候補が敗れた。
オール沖縄は辺野古移設反対の政党、労組などが参加するが、運動方針をめぐり意見が対立。県民投票を
求める観光大手「かりゆしグループ」と建設大手「金秀グループ」が離脱した。

翁長氏が形勢逆転の一手とするのが、辺野古埋め立て承認の「撤回」だ。承認前の手続き不備を理由とした
「取り消し」と異なり、承認後の不備を理由とした措置だ。だが、政府は行政事件訴訟法に基づき執行停止を
裁判所に申し立てる方針で、1カ月以内には工事再開が可能となる見通しだ。

県政与党幹部らは17日に翁長氏の知事選擁立を目指す方針を決めたものの、翁長氏自身は態度を
明らかにしていない。このため政府・自民党内には「翁長さんは知事選に出られないでしょう」(政府高官)などと
不出馬説が根強い。

一方、複数の自民党県連幹部からは「翁長氏が病気を理由に不出馬を表明したら、後継候補に同情票が
集まりかねない」との懸念も聞こえる。(杉本康士)

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