鹿児島の信金、17年間で不正1600件 計5億円超

鹿児島市の鹿児島相互信用金庫(稲葉直寿理事長)は20日、2001年3月〜昨年12月に
顧客の預かり金を着服するなどの不正行為が計約1600件あったと発表した。職員計23人が
関わり、不正に扱われた額は計約5億4千万円にのぼる。解雇を含め計144人を懲戒処分にしたという。

九州財務局は同日、法令順守態勢などに重大な問題があるとして、同信金に業務改善命令を出した。

同信金では昨年12月に職員3人による計約5千万円の着服が発覚。外部有識者による第三者委員会が
調査した結果、この職員2人を含む計17人が顧客の預金や積立金などから計4900万円を
着服・流用していたことが判明した。

着服・流用以外にも、ノルマ達成を目的に不必要な融資をしたり、ローンを組ませてその利息を職員が
払ったりするなどしていた職員も複数確認された。

同信金は3月末付で、計23人のうち9人を解雇、3人を停職の懲戒処分にした。11人は依願退職した。
職員の上司らは減給や降格などの懲戒処分とした。顧客への被害弁済を終えており、刑事告訴はしない方針。
稲葉理事長は役員報酬を返納し、業務引き継ぎ後に引責辞任するという。

稲葉理事長は会見で「15年以上発覚しなかったのは私の責任。しっかりと内部統制を行って立て直したい」と
陳謝した。(加藤美帆)

https://www.asahi.com/articles/ASL4P3D03L4PTLTB006.html