自分はもうずっと長いこと、音楽を聴くことにも、曲を作ることにも、何かを書くことにも、喜びを感じなくなってしまった。

ステージ裏に戻って、ライトがすべて消え後、熱狂的な聴衆の絶叫をもってしても、聴衆の愛と崇拝を喜び楽しんでいたフレディマーキュリーが感じたように喜び楽しみを感じることはできなかった。フレディマーキュリーみたいにできるのは本当に立派だし羨ましいと思う。

自分だってみんなに嘘をつくの嫌だ。ただの一人も騙したくない。自分が考える最も重い罪とは、100%楽しいのだと嘘をつき、ふりをして、人を騙すこと。

時々ステージに出て行く前にタイムカードでも押しているかのような気分にかられていたんだ。



感謝しなくちゃいけないだ。だから出来る限りの力を尽くしてがんばってみた。(本当なんだ、信じて欲しい、それでも足りないんだ)。
自分や自分達が沢山の人達に影響を与え、そして楽しんで貰えた事は重要だと思っている。きっと全てを失ったときに初めてそのありがたみが分る世界一のナルシストなんだ。

自分はあまりにも繊細すぎるんだ。子供のころに持っていた熱狂を取り戻すには、少し鈍感でなければならないのに、あまりにも神経質で感じやすい。

この最後の三つのツアーでは、みんなやファンにはすごく感謝している。それでもこの不満、罪悪感、感情は解消できなかったんだ。

人間みんなどこか必ず良いところがある。だから本当に人が好きだ。あまりにも愛しているので悲しくなってしまうんだ。