テレビで大人気の「県民性」どこまで真実味があるのか
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180413-00055179-gendaibiz-bus_all
テレビや本などで見かけることが多い「県民性」。自分の出身地域や住んでいる土地にかんする情報はついつい気になってしまうもの。
でも、県民性って本当にあるのだろうか。民俗学者・畑中章宏氏が考察する。
日本列島の諸地域に住む人々の性格や気質、特徴的な行動様式、行動規範を、「県民性」によって語ることは、日常会話のみならず、メディアなどでもしばしば行なわれている。
衣食住にかんする傾向や金銭感覚なども、統計的・科学的な裏付けから、県民の個性や特徴だとされることが少なくない。
たとえば、大阪の人は「がめつい、しぶちん、功利的、活動的、ユーモアに富む」、群馬県人「義理人情に厚い、気性が荒い、カカア天下」、山口県人は「団結心が強い、派閥的、郷土愛が強い」、熊本県人は「質実剛健、強情、きまじめ」などといわれる(祖父江孝男『県民性――文化人類学的考察』より)。
こうした県民性は歴史や風土、地形や気候、人口、産業、宗派など、さまざまな要因をもとに育まれてきたものだと考えられている。しかし、当然のことながら、県民性という言葉が、県の成立以前にさかのぼることはない。
明治維新の廃藩置県によって、「藩」に代わって「県」が置かれたのが1871年(明治4年)で、現在の47都道府県がほぼ定められたのは、1890年のころである。つまり県民性を育むにも、たかだか130年しか経っていないのだ。
古代中世の「国」や近世の「藩」ではなく、近代国家の地方支配の単位を基準に、住民の性格が形作られるものだろうか。
方言や食文化のような地域性は、「県」より、「藩」から理解した方が肯けることが多いともいわれる。日本の地域区分について、その錯綜する歴史から考えていきたい。
長いのでソース