7日に開通50周年を迎える神戸高速鉄道・神戸高速線。私鉄4路線の結節点として新開地駅周辺は活況を呈したが、やがて神戸の中心部は三宮・元町に移った。再びにぎわいを
取り戻そうと、高速神戸−新開地駅をつなぐ「メトロこうべ」では本年度、「明るく安心な地下街」に向けた美装化計画が進められる予定だ。
劇場や映画館が立ち並び神戸を代表する繁華街だった新開地をターミナルとし、同線は誕生した。
神戸市によると、遅延が多発していた路面電車の市電を廃止し、定時運行を可能にするため地下の鉄道運行を決めたという。同駅につながる神戸電鉄沿線では人口が急増し、神
戸高速線開通から数年間は神戸市北区の人口増加率は10%を超えた。
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北村禮三(れいぞう)さん(74)は1968年9月のメトロこうべ開業当初から新開地タウンで飲食店を営む。「午前中は工場の夜勤帰り、昼すぎからは劇場客、夜は仕事帰
りの人たちでにぎわい、とにかく忙しかった」
しかし、三宮・元町が栄えると客足が遠のき、80年代以降、劇場や映画館の閉鎖が相次いだ。87年に市営地下鉄西神・山手線が全線開業となり、さらに新開地を訪れる人が
減少。95年の阪神・淡路大震災で路線が寸断され客離れが進んだ。新開地まちづくりNPOの高四代さん(70)は「ダブルパンチだった」と振り返る。
メトロこうべでは開通50年を契機に「暗い」「若い人が少ない」というイメージを変えようと、神戸高速鉄道が市と連携し、2018年度に内装を改修する工事の計画を進め
る。
地下通路に照明を増やし、壁や床を張り替えるなどの工事を施す。にぎわいスペースを設ける案も浮上している。同鉄道の担当者は「9月のメトロこうべ開業50年までには一
定の修繕を終えたい」と話す。
神戸大の正司健一教授(交通政策)は「利便性が高く、ポテンシャルはある。新旧店舗の入れ替わりがうまくいくかどうかが課題だが、政策的に支援していけばにぎわいを生む
のではないか」としている。
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