福岡市は3日、犬猫の殺処分ゼロに向けた市独自の基準を満たしたペットショップを協力店として認定する制度を始め、市内8店を認定した。市によると、自治体が基準を設けて認定する制度は全国初。福岡市を参考に奈良市も6月から同様の制度を始める。
協力店の認定基準は、(1)東部動物愛護管理センター(東区)などに保護された犬猫の譲渡会を、客が購入前に案内する(2)飼い主を識別できるマイクロチップ(長さ約1センチ、直径約2ミリ)を皮下に装着した犬猫のみ販売(3)「終生飼育する」などと誓約してもらった上で販売する−が柱。客から得た飼い主情報を日本獣医師会管理のデータベースなどに登録することも求めている。
1個数千円かかるマイクロチップの装着費用は店側が負担する。譲渡会を勧めれば店の売り上げにも影響が出る可能性もあるが、優良店に認定された「ペッツファースト福岡天神店」(中央区)の重村朱里副店長(21)は「動物の命を最優先に考え、殺処分ゼロを目指す動きは共感できる」と制度の広がりを期待する。
同日記者会見した高島宗一郎市長は「犬猫との出合いはまず譲渡会へ。店なら認定店を」と呼び掛けた。
市によると、2017年度に同センターに保護された犬猫は737匹。市が飼い主への説得などを始めた結果、殺処分は341匹と07年度の約10分の1まで減ったが、依然多い。市は24年までの犬猫の殺処分ゼロを目標に掲げている。
市は認定ステッカーやポスター作成などPR費として約500万円を見込む。制度を紹介するホームページ(https://zuttoissho.com/)も開設した。
=2018/04/04付 西日本新聞朝刊=
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_toshiken/article/405884/