鬼教官はもういない 「ほめちぎる」自動車教習所が増加
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180403-00010000-norimono-bus_all
・車離れ 「仕方なく免許を取る」若者増加
少子高齢化などを背景に、自動車教習所の生徒数が減少しています。警察庁の資料によると、
全国の指定自動車教習所の年間卒業者数は2008年に約164万人でしたが、2017年には約155万人に。
指定自動車教習所の数も、この9年間で1408校から1330校に減少しています。

そうしたなか、指導方針を見直したことで、生徒数が増加した教習所もあります。そのひとつが、
三重県伊勢市の南部自動車学校です。2013年から生徒を「ほめちぎる」という教習を実施し、
生徒数を3割増やすことにつながったといいます。どのような指導内容なのか社長に話を聞きました。

――「ほめちぎる教習」とは具体的にはどのような内容でしょうか?
かんたんに言うと、失敗を叱らない指導です。教習を受ける人はだれしも、はじめは失敗の連続です。
これはつまり、「新しいことにチャレンジしている」ということですから、それをほめるのです。たとえば、
脱輪したのを叱るのではなく、「よく止まれたね」といって、生徒さんのモチベーションを上げていきます。

――なぜ導入したのでしょうか?
昨今は若者の車離れが進み、免許は「就職のために仕方なく取る」という人が多くなりました。したがって
生徒さんのモチベーションが低く、教習がしづらくなっていたなかで、モチベーションをいかに上げていくかを
考えた結果が「ほめちぎる教習」でした。

また少子化の影響もあり、怒られた経験が少ない人も増えています。怒ると心が折れて、出てこなくなって
しまうケースもあるのです。そのような生徒さん側の要因以外に、少子化で経営が厳しくなっていることから、
ほかの教習所との差別化する目的もありました。

――導入前後でどう変わったのでしょうか?
数値的な面では、生徒数の増加だけでなく、運転免許の取得に必要な各種の検定合格率が約3年間で
5%近く上がりました。ほめる指導は、教習効果も高いことを実感しています。卒業生アンケートでは、
「ほめられてやる気が上がった」といった声のほか、教習内容に「感動した」「満足した」が95%を超えます