韓国で冬のリゾート地として名高い平昌や江陵は例年、雪が解け始める３月になると一気に客足が減って寂しくなるという。だが、平昌パラリンピックが開催されている今年は熱気が違う。
競技だけでなくアートの展示会やコンサート、伝統芸能など多様な催し物が観光客を楽しませた。
リゾート地を抱える行政区画、江原道観光マーケティング課の鄭日燮課長は「韓国の文化を全世界の人に知らせたい。このイベントを今後も続けてレガシー（遺産）としたい」と狙いを語る。
開催されたイベントは４００以上。パラ競技の観戦に訪れれば、毎日どこかで地元の伝統文化に触れられる。南北軍事境界線の非武装地帯（ＤＭＺ）では、平和を願う路上パフォーマンスも行った。
競技会場でも、盛り上げに韓流ブームを活用した。１０日に行われたパラアイスホッケーの日韓戦では、大会広報大使の人気俳優、チャン・グンソクさんがチケット２０１８枚を自費で購入。
主に外国からのファンを招待して一緒に観戦した。初めて競技を見る人が楽しさを知り、観衆が一体となって盛り上がった。
アジアの文化交流にも積極的に動いた。中国から劇団を呼んで中国演劇の公演を開き、日本の観世会も能楽を披露した。江原道が打ち出す「韓日中カルチャーロード」という企画の一環だった。
五輪・パラリンピックは２０２０年東京夏季大会、２２年北京冬季大会とアジア開催が続く。鄭課長は「平昌はアジアでメガイベントが続く出発点。協力し合って文化を発信したい。
この思いを東京大会でも共有してほしい」。バトンがつながることを切望している。（時事）（2018/03/17-05:41）
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018031700187&;g=spo
