ホーキングは科学のアイコンであると同時に、文化のアイコンにもなった。警察は一時期、彼の後妻とかつての看護師が彼を虐待していたのではないかと疑っていた。
その疑惑はテレビドラマ「LAW & ORDER:犯罪心理捜査班」のエピソードの原型となった。彼はアニメ「ザ・シンプソンズ」に本人役で出演し、「ファミリー・ガイ」と
「サウスパーク」に登場した。伝記映画ではエディ・レッドメインがホーキングを演じた。
近年では彼は宇宙の深奥から人類の未来にまで目を向け、知性をもつコンピューターの危険性をイーロン・マスクとともに警告していた。「起こりうる危険に対して準備し、
それを避ける方法を学ばない限り、人工知能(AI)はわたしたちの文明の歴史における最悪の事象になりえます」と、ホーキングは昨年の講演で述べている。
『WIRED』UK版のインタヴューでは、「強力な自律兵器や少数者が多数を抑圧する新たな手法のような危険を、AIはもたらします。AIはわれわれの経済に大きな混乱をもたらすかもしれません」と語っている。
「いつの日か、誰かが自己複製するAIをつくりだすでしょう。それは人間の知性を上回り、新たな形態の生命になるはずです」
彼は2016年、AI、気候変動、その他の(回避可能な)災害によって、人類にはおよそ1,000年しか残されていないと考えていると述べた。そして昨年になって、その予測をわずか100年にまで短縮した。
「われわれがが自らの道を変化させない限り」──。そう彼は警告したのだ。
そんな宇宙論から踏み出した異例の懸念を、一笑に付すことは簡単だろう。特異点とは何であるのかを定義づけてきた人物が、なぜ人々にシリコンヴァレー発の“まがいもの”のシンギュラリティーへの
注意を呼びかけるのだろうか?https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180315-00010001-wired-sctch&p=2