人口減少が続く広島県安芸高田市は、今後5年間で市内に住む外国人の半数に定住してもらうなど、外国人の移住を促すための
対策を盛り込んだ新たなまちづくりの計画をまとめました。専門家によりますと、自治体が人口減少対策として外国人の移住促進を
掲げるのは全国で初めてということです。

中国山地の山あいにある広島県安芸高田市の人口は2万9000人余りで、5年前と比べて1700人ほど減少しています。

市では人口減少の対策の一つとして外国人の移住促進の在り方について、有識者を交えて検討を重ねていて、13日、新たな
まちづくりの計画をまとめました。

計画では、地元の経済団体と連携して外国人の労働者を積極的に受け入れるなどして2022年度までに市内に住む外国人の
半数に定住してもらうことや、留学生が介護やITについて学ぶ専門学校を市内に誘致し、卒業後も地域で働く環境作りを進める
ことなどを盛り込みました。

また、より多くの外国人が地域に伝わる伝統芸能の神楽の継承に関わるようにしてもらうことや、外国人の受け入れに取り組む
自治体どうしで情報交換を行う「サミット」の開催を目指すとしています。

外国人政策に詳しい専門家によりますと、人口減少対策として自治体の計画で外国人の移住促進を掲げたのは全国で初めて
ということです。

浜田一義市長は「人口減少はまちの存続にかかることで、地域社会の仕組みが保てなくなりかねない。日本全体の人口が減る中で
外国人に来てもらえるような住みやすい環境づくりを進めていきたい」と話しています。

専門家「国は外国人受け入れ体制整備急ぐべき」

この計画をまとめた会議の委員長を務め、外国人政策に詳しい明治大学の山脇啓造教授は「移住定住する外国人を増やそうと
環境整備を進める点が新しく、全国で初めてのプランだ。外国人を積極的に受け入れ、地域活性化や地方創生に取り組もうとする
自治体は今後も増えると考えられる。国は外国人の受け入れについての体制整備を急ぐべきだ」と話しています。

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180313/k10011363851000.html