「南方都市報」(2月25日付)によると、昨年、中国最大手のECサイト「アリババ」で販売されていたコンドームの中に、大量のニセモノが出品されていたことが判明した。
捜査を続けていた当局は2月8日、ついに河南省鄭州市内にあるニセ工場を摘発。経営者夫婦を逮捕した。

 この工場で製造されていたコンドームは、品質の悪いコンドームの表面に劣化したシリコンオイルを塗り、
パッケージには日本のコンドームブランド「オカモト」の商品名をあしらって販売していたのだった。

 公安局が工場に踏み込んだ際、地元の村民約50名が手作業で、ニセコンドームを個別にパッキングしている最中であったという。コンドームを個別に入れる包装袋には、
消毒などが一切されておらず、さらにこうした包装袋を製造する機械には工業用オイルが至る所に付着しているといった、劣悪な環境であったことも伝えられている。

工場内からは170万個ものニセコンドームが押収されたが、これまでに500万元(約8,500万円)を売り上げていたという。
逮捕された経営者夫婦は「ニセコンドームは、製造原価が一個あたり0.42元(約7円)なのに対し、市場では10〜20元(約170円〜340円)の価格で販売していたため、
原価の40倍もの利益があり、
非常に儲かった」と供述している。

 彼らのニセコンドームは、パッケージの上からは、その真贋を判別することは極めて困難であったという。しかし記事によると、
粗悪なシリコーンオイルが性行為を通して女性の内性器に付着した場合、弱酸性に保たれるべき女性器のphバランスが崩れ、
性病や深刻な婦人病を引き起こすリスクが非常に高くなるという。また、
中国国内の病院では粗悪なコンドームを使用したことによる疾患者数が増加の一途をたどっているとも指摘。
さらに妊娠中に粗悪なコンドームを使用した妊婦が、性感染症を患い中絶に至ったケースについても紹介している。

 日本製コンドームが、訪日中国人の爆買いのターゲットとなったこともあるが、それには中国製品を信用できないこうした事情があるのだ。

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(文=青山大樹)