四国地盤のトモニホールディングス（ＨＤ）は12日、傘下の徳島銀行と大阪拠点の大正銀行が2019年秋までに合併する方針を発表した。
徳島銀と香川銀行で構成していたトモニＨＤに大正銀が16年４月に合流して以降、３行は資金需要が旺盛な大阪地区を開拓してきた。
そのうち２行が合併による組織一体化で収益力を強化。大阪でさらなる攻勢に出る。
「合併はコスト改善効果が大きい。徳島銀は（事業の成長力を踏まえた）事業性融資や中小企業取引、大正銀は住宅・不動産分野という強みを持っている。合併でノウハウ共有が一段と進む」。
トモニＨＤの遠山誠司社長は12日、大阪市で開いた記者会見で、合併の意義をこう強調した。
銀行経営はシステムが重要な要素を占める。「徳島銀と大正銀はシステムが同じ。それぞれ同じコストがかかっているが、合併でひとつになる」（遠山氏）。
マイナス金利政策が収益を圧迫するなか、利益が出やすい体質へ転換する。
一方で「人員削減は考えていない」とした。
関西の地銀の中で大正銀は総資産規模で最下位の10位だが、合併で一定の規模を獲得し、但馬銀行を上回る。
ノウハウ共有は現在も進めており、想定以上の効果を生み出している。16年４月にまとめた３カ年計画で、３行の大阪地区での貸出金残高を1000億円増の7800億円に押し上げる目標を掲げたが、中小企業を中心に資金需要を開拓して昨年末に前倒し達成。長期的に１兆円をめざす。
原動力は大阪拠点の「窓口」として大正銀が機能したことだ。
徳島銀と香川銀は地元の資金需要が鈍いものの規模は比較的大きく、大正銀と大阪地区を開拓してきた。
大正銀の吉田雅昭頭取は12日の会見で「当行は不動産中心で資金需要はあるものの小規模で限りがある。
徳島銀と合併すれば潤沢な資金をよりいかせる」と語った。
今後は大阪地区で徳島銀のノウハウと資金を活用し、事業性融資や中小企業との取引の拡大をめざす。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28023290S8A310C1LKA000
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