中国では教育熱心な親が多いが、詰め込み式の「中国式の教育」の是非についてはたびたび議論が行われている。では、日本の小学校教育は中国からはどう見えるのだろうか。
中国メディアの環球網は1日、日本の小学校の視察旅行に同行した中国人筆者の見解を紹介する記事を掲載した。日本に関する絵画コンクールで入賞した数名の中国の子どもたちが、
日本の小学校に招かれたのだという。
一行が訪問したのは、長野県にある小学校だ。上海や広州など大都市から来た彼らの目には、何もかも新鮮だったようだ。1学年に1クラスしかない小さな学校ながら、
上海の1学年7ー8クラスある大きな学校と比べても、「教育の設備や方針に遜色がない」と驚いたという。中国では都市部と農村の学校ではその設備から教師の質、学ぶ内容まで大きな隔たりがある。
さらに、子どもたちが楽しみながら学べるよう、ゲーム方式で学習するなど工夫が見られることに感動し、中国の子どもたちから「超おしゃれだ」との感想が出たという。
また、係を決めることで「全員が何かの責任者」になるという考えは中国の学校にはないらしく、「1人ひとりにマネジメント能力を培わせる良い方法だ」と記者は感心している。
また、この学校の給食では月に3回、子どもたちの希望を取り入れてメニューを決めているそうで、食べたいものを書いておくと、
学校側はできるだけその希望に合わせてくれるという。記者は「子どもらしい興味を持たせ、自由に表現することを推奨している」と称賛した。
続いて筆者は、図工の授業を参観。ちょうど彫刻をしているところだったが、ほかにも授業では絵をかいたり立体模型を作ったりすると説明を受け、
広州から来た5年生の男子児童はうらやましがったそうだ。中国の学校でも美術の授業はあるものの、ほかの授業に変更されてしまうことが多いからだという。
記事はほかにも、学校が地元の元教師など地域の協力を得ながら、課外活動に力を入れていることを紹介。スキーやマラソン大会、
キノコ狩り、クラブ活動などを通し、子どもたちが学びたいことを幅広く教える仕組みができていることに感心している。
地方の生徒数が少ない学校でも、質の高い授業を受けられるだけでなく、人格形成に役立つ多方面の教育を受けられる日本の学校教育。
中国では教育面でも都市部と農村部の差は大きいのが現状だが、ぜひこの点は日本の教育に学んでもらいたいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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