神戸大学大学院理学研究科の末次健司特命講師らの研究グループはこのほど、沖縄県石垣島の野底岳と於茂登(おもと)岳の周辺で、ソロモン諸島とインドネシアのパプア州でのみ分布が確認されている植物(スキアフィラー・コーニキュラータ)を日本で初めて発見した。
同植物は光合成をやめてキノコやカビの菌糸を根に取り込む「菌従属栄養植物」で、発見場所にちなみ和名を「ノソコソウ」と命名した。
研究成果は、植物分類学の国際誌「Acta Phytotaxonomica et Geobotanica」に28日、掲載される。
研究グループは2015年10月と16年10月に現地を調査し、植物全体が赤紫色で、植物体の高さは3センチ程度、直径2ミリの花を付けるノソコソウを発見した。
ノソコソウはホンゴウソウ科の植物だが、雄花と雌花が別々の単性花をつけ、花びらの大きさが等しく、雄花の先端に糸状の突起がある点で日本に分布する同科のいずれの種とも異なる特徴があるという。
末次さんは「菌従属栄養植物は光合成を行わないため、花期と果実期のわずかな期間にしか地上に姿を現さない。サイズも小さいものが多いため、見つけることは非常に困難」と説明。
「豊かな森と菌類に支えられた植物の発見は、野底岳と於茂登岳の周辺に広がる原生林の重要性を改めて示すものだ」と意義を強調した。
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