ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は26日、シリア・東グータ地区で毎日5時間の「人道的休戦」を
国防省に指示した。発表したロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、休戦は27日から開始すると述べた。
首都ダマスカスに近い東グータの反政府勢力地区には、民間人39万3000人が閉じ込められている。
シリア軍は今月に入り、ロシア軍の支援を得て激しい空爆を続けてきた。
ショイグ国防相は、民間人の避難を可能にする「人道的回廊」を設けるため、午前9時から午後2時の間
の5時間、攻撃を休止すると説明した。
国防省はさらに、シリアの赤新月社と共に「人道的回廊」を設置すると発表した。住民にはちらしやテキスト
メール、ビデオなどで情報を提供するという。
国連安全保障理事会は24日、人道援助を現地に届け、重体の傷病者の避難・搬送を可能にするため、シリア
全土で30日間の停戦を求める決議を採択している。アントニオ・グテーレス国連事務総長は26日、「東グータ
は待てない。地上のこの地獄をいい加減、終わらせるべきだ」と強く訴えた。
しかし、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は記者団に、国連決議に基づく停戦は「紛争の全当事者が、停戦
の実現方法について合意できた時に始まる」と話していた。
ラブロフ外相は、「イスラム国」(IS)やアルカイダなどのイスラム聖戦主義組織は排除すると述べた。
ほかに、アフラル・アル・シャムやジャイシュ・アル・イスラムなど主要なイスラム主義反政府勢力も、
「ヌスラ前線の提携組織」と呼び、排除する方針を示した。
ヌスラ戦線は、アルカイダ系の反政府武装組織で、現在は「ハイヤート・タハリール・アル・シャーム」
を名乗っている。東グータでは小規模な勢力を保っている。
(以下略)
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