中国共産党、主席の任期撤廃改憲案 習氏、長期政権狙う

中国共産党中央委員会は25日、国家主席の任期を「連続2期10年まで」とする憲法条文を削除する
改正案を提示した。現憲法では習近平(シーチンピン)国家主席の任期は2023年までだが、さらなる
長期政権が可能になる。権力集中の弊害を避けるため指導者人事の規範化を進めてきた流れに
逆行する動きともいえ、中国政治システムの大きな転機になりそうだ。

国営新華社通信が伝えた。

習氏は現在、党トップの総書記と国家主席を兼務している。国家主席の任期は憲法79条で2期10年まで
とされている。習氏は3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で再選され、2期目がスタートする
段階にある。

国家主席は長年、毛沢東が務めた後、文化大革命やその後の政治闘争の流れの中で75年にいったん廃止。
ケ小平が実権を握った82年に再び設置された。3選を禁じたのは、権力が集中した毛時代の反省から、
集団指導体制を目指したことが背景にあった。

だが、習氏は毛、ケらと並ぶ「党の核心」としての地位を築くなど、最高指導者の権威を高め「1強」態勢を固めた。
党総書記には明確な任期制限がないため、国家主席の3選禁止を撤廃することで長期政権を可能にし、一層求心力を
高める狙いがありそうだ。

憲法改正案では国家副主席の3選禁止も削除され、習氏の政治理念「習近平の新時代の中国の特色ある
社会主義思想」を盛り込まれた。改正案は3月の全人代で審議される。(北京=冨名腰隆)

https://www.asahi.com/articles/ASL2T61FQL2TUHBI01R.html